梅ちゃんのコラムミックス
*注意;名前,顔写真,車のナンバーなど掲載には極力気を使っていますが,問題が有る場合サイト管理者未明にご連絡ください。書かれていることはすべて私の私感であり,真実・事実と異なることがあります。ご了承ください。
西山RCクラブでもお馴染み梅ちゃんのコラムを,
熟読したい方向けにこちらにも,まとめておきます!
●Off-road Car Technical Tips 26〜電動オフロードカーテクニカルチップス26〜タイヤ編3
●Off-road Car Technical Tips 25〜電動オフロードカーテクニカルチップス25〜タイヤ編2
●Off-road Car Technical Tips 24〜電動オフロードカーテクニカルチップス24〜タイヤ編1
●Off-road Car Technical Tips 23〜電動オフロードカーテクニカルチップス23〜ミッション編2
●Off-road Car Technical Tips 22〜電動オフロードカーテクニカルチップス22〜ミッション編1
●Off-road Car Technical Tips 21〜電動オフロードカーテクニカルチップス21〜ベアリング編2
●Off-road Car Technical Tips 20〜電動オフロードカーテクニカルチップス20〜ベアリング編1
●Off-road Car Technical Tips 19〜電動オフロードカーテクニカルチップス19〜スリッパー編2
●Off-road Car Technical Tips 18〜電動オフロードカーテクニカルチップス18〜スリッパー編1
●Off-road Car Technical Tips 17〜電動オフロードカーテクニカルチップス17〜アンプ編
●Off-road Car Technical Tips 16〜電動オフロードカーテクニカルチップス16〜ステアリングサーボ編
●Off-road Car Technical Tips 15〜電動オフロードカーテクニカルチップス15〜空力編
●Off-road Car Technical Tips 14〜電動オフロードカーテクニカルチップス14〜ダンパーセッティング編
●Off-road Car Technical Tips 13〜電動オフロードカーテクニカルチップス13〜スプリング編
●Off-road Car Technical Tips 12〜電動オフロードカーテクニカルチップス12〜オイル編
●Off-road Car Technical Tips 11〜電動オフロードカーテクニカルチップス11〜シーリング編
●Off-road Car Technical Tips 10〜電動オフロードカーテクニカルチップス10〜ピストン編
●Off-road Car Technical Tips 9〜電動オフロードカーテクニカルチップス9〜スピンドル編
●Off-road Car Technical Tips 8〜電動オフロードカーテクニカルチップス8〜シリンダー編
●Off-road Car Technical Tips 7〜電動オフロードカーテクニカルチップス7〜ダンパーの役割編
●Off-road Car Technical Tips 6〜電動オフロードカーテクニカルチップス6〜カップジョイント編
●Off-road Car Technical Tips 5〜電動オフロードカーテクニカルチップス5〜デフボール編
●Off-road Car Technical Tips 4〜電動オフロードカーテクニカルチップス4〜デフリング編
●Off-road Car Technical Tips 3〜電動オフロードカーテクニカルチップス3〜スラストベアリング編〜
●Off-road Car Technical Tips 2〜電動オフロードカーテクニカルチップス2〜グリス編
●Off-road Car Technical Tips 1〜電動オフロードカーテクニカルチップス1〜デフメンテナンスの目的編
●Off-road Car Technical Tips 26〜電動オフロードカーテクニカルチップス26〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●タイヤについて3
インナースポンジについて
基本は標準とされるインナースポンジを外周内周のエッジを適当にカットして用いる。このカットの仕方などに個人のノウハウが生きてくるものだが、極端なタイム差は出にくいと思う。(カットの仕方は他の媒体を参照してください)
コースによってインナーの選択は大きく変わる。フラットなサーフェスではインナーは張り気味でトラクションを稼ぎ、ギャップだらけの場合は柔らかいインナーで安定性を求める。
とくに後者は劇的な効果を上げることが多く、確実にグリップは劣るもののギャップの安定性が上がることでミスが少なくなりトータルで安定して走れる。逆にフラットサーフェスの場合に腰のないインナーを使用すると、横にも縦にグリップが逃げてしまってお話にならない。
インナーについても個人差が出やすい。というのもエキスパートを模倣しようと思ってもインナースポンジの種類選択やカットの仕方などは見ているだけでは判断できないからである。
また自分もインナーはほとんどグリップ重視ではなくライフ重視なので、LOSIとPROLINEそれぞれの標準スポンジは廃棄してY社のインナースポンジを挿入している。標準でタイヤに付属しているスポンジは目が粗いので腰はあるが、材質の問題か非常に寿命が短い。
Y社のものは目が細かくて径が大きいのでカットの仕方で形状や張り具合を調整しやすく、またライフもながい。前々回のホビーショーだったか、K社のブースにオフロード用のモールドインナーが参考出品展示されていたが、モールド素材は摩擦に非常に強いと推測される。
性能維持の面でもモールドインナーの発売が期待される。寿命はタイヤの内側のメッシュパターンとスポンジの摩擦で起こると考えられる。車がひっくり返ったときにスロットルをいれてタイヤを空転膨張させる行為はインナーを削り取っている作業といっしょである。絶対しないように。(4に続く)
●Off-road Car Technical Tips 25〜電動オフロードカーテクニカルチップス25〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●タイヤについて2
コンパウンドについて
コンパウンドはLOSIとPROLINEで基準が異なり比較ができない。おおよそLOSIのこのコンパウンドはPROLINEではこのコンパウンドに相当する・・・といった感覚的な部分の記述は誤解のもとなのでここでは「自分でテストしてみてください」としか書けない。
LOSIでもっとも柔らかいものはレッド、PROLINEでもっとも柔らかいものはM3でそれぞれ生ゴムに近いような材料が用いられる。手で触るとベタベタする感じで、離型剤も油のようなものが使われるのでホイルに接着する際にはしっかりとクリーナーで洗浄する必要がある。
またLOSIのピンクとPROLINEのR3はゴム質がレッドやM3とは異なり、若干腰のあるコンパウンドとなっていてピンのよれが少なくなっている。材料的に樹脂成分が多くなっているような気がする。離型剤も油系ではなくシリコン系パウダーが使用されているので洗浄が楽である。(ちなみに瞬間接着剤溶解用のアセトンでピンクR3は大きく変質するらしい。)
以上の2社4種類のコンパウンドを主に使用している。選択基準として、ギャップが多くなってきたらレッド・M3を選択し、フラットでホコリは浮いていない路面状況であればピンク・R3を選択するようにしている。
また粘度路面で湿度がなくなって乾いてくるとピンク・R3が好結果を出す。ただし守備範囲は明らかにレッド・M3の方が広く、自信がない場合は迷わずレッド、M3を選択する。「大外し」を避けて「大当たりとまでいかなくても普通に走れる」ことを目指す。
ごくたまに自分がホームコースとしているSPLサーキットでは路面が荒れてきて石がたくさん出てくると、ピンがもげることを嫌ってPROLINEのM2コンパウンドを使用することもある。
自分は全日本前の練習でいろいろテストしてピンクやR3での好結果を予想していたが、実際の全日本で使えたコンパウンドはレッドとM3のみだった。(3に続く)
●Off-road Car Technical Tips 24〜電動オフロードカーテクニカルチップス24〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●タイヤについて1
タイヤは車の最重要パーツである。すべての始まりはタイヤから。
オフロードでもそれは例外ではなくセッティングの90%はタイヤであるといわれる。オフロードのレースシーンで使用されるほとんどのタイヤのメーカーは2社、LOSIとPROLINEである。
他にK社やY社からもラインナップされているが全日本での使用率は前の2社がほぼ100%(OEM除く)。タイヤに関する要素はパターン、コンパウンド、インナースポンジなどであるが、それぞれについて自分の見解を少しづつ記述する。
あくまでもへぼドライバーである自分の見解であり、参考になるかどうかは各自で判断して欲しい。
パターンについて
まずパターンだが路面の状況で最も左右される。粘土質で非常にしまった路面ではギャップも出来にくいし、ホコリも比較的に少ないが、そういった路面の方がパターンに敏感である。ここ数年の全日本の舞台となっているヤタベアリーナはまさにその典型で、午前中、昼〜夕方、夕方〜夜でパターンがかわる。温度、湿度の影響である。路面の乾き具合を見極めることが重要ということ。
その見極めは非常に難しくて熟練を要する。一朝一夕の練習期間では判断を誤るケースが多いだろう。結局のところ、エキスパートの装着しているタイヤを模倣することがもっとも手っ取り早くて間違いがない。
タイヤの選択結果を「大外ししてクルクルボンバー」「大当たりとまでいかなくても普通に走れる」「ドンピシャ」と分けるとすると、エキスパートと呼ばれるドライバーは「大外し」をやらかさない。ヤタベアリーナでのパターンやコンパウンド選択の詳細については毎年トレンドが変わっているので誤解を避ける意味でもここでの記述は避けたい。
特にヤタベでの全日本という舞台では、数日前に掘り起こしてコースを変更するので表面の土質が変化するのと、コースをならすために水をたっぷりと含ませるので湿度が高い状態を維持してしまう。
当然ギャップもなくなりフラットな路面に仕上がる。さらに困ったことに、表面の細かくて浮いた砂ぼこりが掃けるまではグリップが低い上に安定しない。ヒート順は遅いほど有利ということになってしまう。
このように全日本では路面の状況が一変してしまうのだ。したがって直前練習で集中的にテストして得られたタイヤデータはほとんど使い物にならない。自分も全日本前2ヶ月に及ぶ練習で大本命と考えていたタイヤは不発に終わって、路面の見極める力のなさを痛感した。(2に続く)
●Off-road Car Technical Tips 23〜電動オフロードカーテクニカルチップス23〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●ミッションについて2
現在のレースカーのデザインでリア周りの剛性の大半を担っているのはミッションケースである。
このミッションの設計は車の走行性能の要といってよい。駆動効率はもちろん、リアのメカニカルグリップにも大きく関連している。
ところが複雑な構造である上に樹脂の成形部品なのでどうしても精度の面で×なパーツもある。
昔より成型技術は格段に進歩しているはずだが、実際には左右でぴったりと合わないパーツも多くある。
プラモデルなら擦りあわせてひっつけてしまえば構わないのだろうが、ミッションの場合はそうはいかない
。お湯につけて歪みを矯正する?いえいえ、そんなやわな材質のケースはありえない。結局2〜3セットケースを買ってきてマッチドをするくらいしか手立てはない。
現在自分の愛車は「ハズレ」でやはりケースのマッチングがよくなくてスペアとして買ったケースと組み合わせてみたがどうしてもぴったりこなかった。
結局モータープレートにしめこむネジで矯正している形になっている。そしてこの精度の悪さはミッションのメンテナンスサイクルにも大きく影響している。精度が悪いと非常に細かい砂がミッション内に侵入しやすくなりギアの寿命が短くなる。
仕方ないので、ケースの合わせ目に薄いテープをグルっと一周貼って砂の侵入を防いでいる。このテープの効果は絶大で、貼り始めてからギアに塗布した白色のテフロングリスがほこりで茶色く濁ったことはない。
順番が前後したが、ギアには樹脂用の低粘度グリスを塗布する。間違っても金属専用のグリスは塗ってはいけない。樹脂が侵されてしまう。以前はなにも塗布しないことが多かったが、それは細かい砂を吸着しないようにという配慮からだった。(同様の理由でダイレクトドライブも潤滑剤を塗らない)
確かに何も塗布しない方が手で回したときにスルスルと回るが、実際にモーターの出力トルクをかけたときは明らかにグリスを塗ったほうがロスが少ない。
ダンパーセッティングの項でも書いたが、自分の手で触ってわかる状態と、実際に走行している状態では大きく異なることが多い。少しづつでも試行錯誤を繰り返して、ノウハウを蓄積することが非常に大切ということである。
●Off-road Car Technical Tips 22〜電動オフロードカーテクニカルチップス22〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●ミッションについて1
ここでは特に2WDミッションについて述べる。
昔の2WDのミッションは様々な形式のものがあった。ベルトによる駆動もあったし、ギアダウン式でも中のギアのレイアウトにバラエティーがあった。しかし現在レース用の車のミッションははほとんど同一のレイアウトが採用されている。
このレイアウトの基となったのは今から20年ほど前にアソシのRC10用に開発されたステルスミッションである。
軽量かつコンパクトで駆動効率もよくてさらに耐久性も抜群、他社はこのステルスミッションに追従してきた。この何の変哲もなさそうなミッションがエポックメイキングだったのはギアの材質と精度、そしてなによりケースのデザインだったと思う。
ケースは当時の車の中で最小サイズだった。コンパクトであることの最大の利点は「軽量」ではなく「剛性」である。
コンパクトなデザインの方が剛性を確保しやすい。フルスロットルでモーターの出力がすべてミッションに伝えられたときにケースが歪んでベアリング間距離や軸の平行がずれてしまっては効率どころではなくなる。
また最後尾に(バッテリーの次に)重たいモーターを搭載する2WDでは、ミッションそのものの剛性が大きく走行性に影響する。ギアの材質は現在研究し尽くされており、またさらにミッションの剛性があがったことによって走行中にミッション内でギア欠けやギアなめがおこることは皆無である。
そしてそのデザイン上のポイントは現在のレースカーのミッションにも通ずる。(2に続く)
●Off-road Car Technical Tips 21〜電動オフロードカーテクニカルチップス21〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●ベアリングについて2
ベアリングは駆動系の要。
RCカーには大変多くのベアリングが用いられているが、そのベアリングには大きく分けて2種類ある。
ラジアルベアリングとスラストベアリングである。ラジアルとは回転軸と鉛直方向を指し、スラストとは回転軸方向を指す。スラストベアリングはボールデフの中に必ず組み込まれているし、スリッパーの調整ナットとディスクの間にも組み込まれている。
これらはラジアル方向の作動にはまったく関与していない。
しかしラジアルベアリングの多くはラジアル方向だけでなくスラスト方向のトルクも受け持つケースがほとんどである。たとえばアクスルのベアリングは、アクスルとそれに付随した構造物がベアリングにインナーのみ接触するように設計されている。
すなわちスラスト方向の位置を決定しているのもラジアルベアリングなのである。
オフロードのラジアル方向のストレスはオンロードに比べものにならないほど大きいので傷みやすいが、傷んだベアリングが加速的に車の走行性に影響を及ぼす原因はスラスト方向の関係の大きい。
加速の際にトラクションが不安定になったり、ブレーキングでどちらかに曲がる傾向が出た場合は、まずはサスの動作と車高の左右アンバランスをチェックするがベアリングの可能性であることも多い。
また指で触ってそんなにゴリゴリしていなくてもベアリングそのものが微妙に歪んでいることもある。歪んだベアリングは回転は指で触った感じではそんなに悪くなさそうでも、実際の走行ではまったく使い物にならないケースがあるので要注意。
非常に過酷な使用条件である2WDのリアアクスルを支持するハブキャリアをアルミ削り出しのオプションに交換するのが非常に有効なのはそういった理由からでもある。
どうしても不調の原因が同定できないとき、アクスル関係のベアリングをすべて新品に交換することで解消できた例をいくつも経験している。
●Off-road Car Technical Tips 20〜電動オフロードカーテクニカルチップス20〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●ベアリングについて1
RCカーには大変多くのミニチュアベアリングが使用されている。2WDでは15〜20個程度4WDでは16〜22個程度使われている(モーター分を省いて)。
国産のマシンではミリサイズ、外国製のマシンではインチサイズが多い。
このベアリングはRCカーにおいてもっとも高価な消耗品のひとつで、またオフロードカーの場合はホコリの影響やジャンプがあるのでツーリングやダイレクトドライブに比べて消耗の度合いが激しい。またオンロードカテゴリーとちがい品質の差も出やすい。
従ってオフロードならではの取り扱いやメンテナンス法がある。まずグリス抜きは行わない。(谷田部での全日本オンリーで・・・というなら構わないが)これは砂ホコリによる劣化をできるだけ防ぐ意味でとても重要。
それでも走行回数が重なってくるとベアリングがゴリゴリしてくる。こうなると清掃が必要になってくる。清掃は市販のベアリング専用洗浄器でも良いが、大抵はゴリゴリ感が残ると思う。
そうなると本来は交換したほうがよいのだが、自分はベアリングを分解して清掃することにしている。ベアリングには分解できるタイプと出来ないタイプがあり、できるタイプはシールドをスナップリングで固定しているだけなので、これをはずしてボールをむき出しにしてクリーナースプレーを吹き付けて洗浄する。
この段階でもかなりのゴリゴリ感が残っているようであれば諦めて交換する。洗浄後ボール部分にオイル注油しシールドとスナップリングを元通りにしたあと、シールドとインナーチューブの隙間にグリスを指で塗りこむ。
実はこの作業が大変重要で、このグリスは潤滑目的ではなく砂ホコリをシャットアウトする目的のもので、これをしないと屋外のコースメインで走行させているとあっという間にゴリゴリになってしまう。
自分が使用しているのは、余りものの実車用エンジンオイルと自転車用の低粘度グリスで代用している。わざわざRC専用でなくても十分。(2に続く)
●Off-road Car Technical Tips 19〜電動オフロードカーテクニカルチップス19〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●スリッパーについて2
現在のスリッパーはクラッチシュー2枚でスパーギヤを挟み込むタイプが主流であるが、デビュー当時はスリッパーユニットとスパーギヤが2本のネジで固定されているものだった。
このタイプはクラッチシューが1枚しかないので容量的には多少不利な部分もあるが、スパーギヤを交換してもスリッパーユニットの再調整の必要がないといったメリットもあった。(現在の挟み込みタイプはスパーギヤの交換ごとにスリッパーの再調整が必要となる。)
スリッパーの動作原理でもっともネックとなるのは動摩擦係数と静止摩擦係数の差である。
すなわちスリッパーが動作し始める手前と、し始めた後とのトルク伝達効率に差が発生するということになる。
これではスリッパーの本来の目的にとって大変不都合であり、理想的には動摩擦係数と静止摩擦係数に差がないことが求められる。
そういった問題をできるだけ解消する目的で現在のクラッチシューの材質が選択された。
過去にはロッシからハイドラドライブと呼ばれるシリコン粘性を利用したトラクションコントロールシステムも登場したが、まさに動摩擦係数と静止摩擦係数の問題をクリアするためのものだった。
しかしシリコンオイルをためておくタンクが巨大でなおかつ重量もかなりあったので、自然淘汰されてしまいシンプルかつ軽量な現在のスリッパー形式に落ち着いている。
スリッパーの調整はここでその方法を文章で伝えることは難しい。 簡単なようで実は非常に奥が深い。
ドライブしたときの感覚を基準にするとタイムが出ないことがよくある。すなわち多少ドライブが難しくてもタイムの出る調整が必要ということ。
タイム的においしいところを見つけることが大変重要である。実際にはどちらをとるか難しい。
つまり、ワンラップのタイムをとるか、安定したラップでトータルのタイムをとるか。ドライバーの技量で左右される。
具体的に調整する方法はいろいろあって、さまざまなHPで紹介されている。一般的なのは両リアタイヤを両足で動かないように踏んで、スロットルを開けていってフロントの持ち上がり具合を指標に調整する方法である。
しかしこの方法はタイヤグリップレベルが要素として入っていないので、路面とタイヤを見極められる選手が行うべき方法だと思う。
当然だが路面とタイヤで調整域は大きく異なってくる。自分が行っている方法は、コースのストレート部分で何度かダッシュさせて段々と締め込んでいく。調整は滑り気味から始める。
締め込み気味から段々と緩めても理論的には同じところに行き着くはずだが実際には前者の方が調整しやすいように思う。
いずれの場合もデフが滑っていないことが大前提である。
メンテナンスで重要なのはシューの加工。
使用していると接触面がツヤが出てきてツルツルになるが、ツヤツヤの状態は動摩擦係数と静止摩擦係数の差が大きいことを示している。
ペーパーなどでシューの表面を均一に適度に荒らしてやると初期の性能を取り戻せる。
自分はカッターナイフを表面に垂直に立ててカンナがけの要領で表面を荒らしている。
●Off-road Car Technical Tips 18〜電動オフロードカーテクニカルチップス18〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●スリッパーについて1
そもそもスリッパーの役割はトラクションコントロールであった。
過去形なのは現在においてスリッパーに求められている機能は少し方向が違ってきているからである。
一番最初にスリッパーがデビューしたのは今から20年近く前のことである。
アソシからRC10用のステルスミッションに搭載されたのが最初だったと記憶している。
当時の「タイヤの性能」「サスペンションの設計」でトラクションをいかに稼ぐかということは非常に重要な要素であり、2WDにおいてトラクションの確保は永遠の命題でもあった。
スリッパーはタイヤの空転を抑えて当時のタイヤの狭いグリップ領域で効率よく車を加速させることが最大の目的であった。
高校の物理で習ったように静止摩擦係数は動摩擦係数より大きい。
空転したタイヤは空転していないタイヤよりグリップが落ちる。
パワードリフトすると縦にも横にもグリップ力が落ちるのが良く分ると思う。
この問題を解決すべく登場したのがスリッパーだった。
当然無駄な電流が抑えられるのでバッテリーの持ちにも大きく貢献していた。
ところが現在ではその役割の意味合いが大きく変わってきている。
タイヤの性能は大きく改善されて、油断するとウィリーすることすらある(路面によるが)。
昔のドデカイFETが十数個も並んでいるマッチ箱のようなアンプはいわゆるドッカンパワーで中速域のコントロールが難しかったが、現在のアンプは効率もよく中速域も非常にコントローラブルになっている。
当時の1200という容量に対して現在の3300という大容量バッテリーは「持ち」なんてまったく関係ない。(レースタイムを8分にして欲しいくらいである。)
サスの設計もダブルウィッシュボーンという形式こそ変わっていないがアライメントやロールセンターなどの理論的な部分が著しく進化し、20年前とはまったく性能が違う。トラクションのコントロールはドライブテクニックでカバーできるようになってきたのだ。
いやレースではドライブテクニックでトラクションをコントロールできないとお話にならないのである。
このように「モノ」が進化しつづけた結果、スリッパーの目的は『ミッション(特にデフ)の保護』に変わったといえるだろう。
デフは20年前と何ら進化していない。
スラストベアリングを基本構造としたボールデフであり、ギヤデフと異なり過大な衝撃を受けるとスリップする。この衝撃を吸収する役割をデフではなくスリッパーに置き換えたのである。
以前にも書いたように、デフは走行性能を左右する最重要要素でありなおかつ、性能維持に最も神経を使う部分でもある。
よく調整されたスリッパーによってデフの寿命、メンテナンスサイクルは非常に伸びる。(2へ続く)
●Off-road Car Technical Tips 17〜電動オフロードカーテクニカルチップス17〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●アンプ(ESC)について
アンプ(以下ESC)は各社様々なグレードのものが発売されている。
しかしこのコラムを興味深く読んでくれているドライバー(ほんとにいるの?)は各メーカーのハイエンドのものしか使用していないと思う。それは青かったり、金色だったり、紫だったりすると思うが、メーカー間で差があるかといったことは一番知りたいところではないだろうか?それだけESCはオフロードにおいても高価な部品であり、またドライブに関しても非常に重要な要素であるといえる。
昔は車1台より高価な時期もあったがだいぶこなれてきて安価にはなってきている。それでもそうポンポン交換できるものではないのでできるだけ失敗したくはない。そういう心理でもハイエンドモデルがもっとも支持されていると思う。実際のところメーカー間で確実な差があるらしい。超がつくエキスパートドライバーにはわかるらしい。
らしいと書いているのは結局意見が様々であり、どれがほんとなの?どっちを信用していいの?といった不確定な部分が多くあるということ。しかしここで断言できるのはその差は非常に微妙であり、その差が成績となって現われるのはごく限られたドライバーで、日本では数人しかいないということである。
その微妙な差は、熱ダレしやすいとか、吹けあがりがよいとかだが、今の自分の技量ではその差は実感できない。これらはあくまでハイエンドモデルというくくりの中の話であってミドルクラスモデルは対象外。
ミドルクラスを購入して後悔するケースはたまに聞くので、やはりレース活動をしてゆく上でハイエンドモデルは必須だと言える。
●Off-road Car Technical Tips 16〜電動オフロードカーテクニカルチップス16〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●ステアリングサーボについて
現在オフロードではデジタルサーボがあたりまえのようになっている。
デジタルサーボが出始めの頃はその特性があまりにもアナログと違っていたため戸惑いや否定的意見も聞かれたが、現在では開発と改良が加えられナチュラルな特性のものやまたその特性自体を自分に合わせてアジャストできるものも出ている。
実際自分はデジタルが鳴り物入りで発売されてすぐ購入し4WDに搭載してテストしてみた。結果は・・・悲惨だった。とにかく初期反応が鋭すぎる。ほんの少しの操作でそれ以上の動きになってしまうような感覚である。
他の要素ではないかと様々なポイントをチェックしたが結局見つからず、最終的にアナログに戻して事なきを得たような状態だった。
少しでもステアリング操作するとそれがすべて増幅されて車の動きに反映してしまいストレートでもコーナリング中でも微妙な操作が出来ていない自分にとってデジタルサーボは苦痛でしかない・・・と言ってしまえるほど敏感な車になってしまったのである。
一度はアナログに戻したが、悔しくてデジタルに再度積み替えてセットを出す努力をした。車のセッティングをいじっても著変なく、結局プロポのサーボスピードを落としたりエキスポネンシャルをマイルド側に振って対処した。電気的にステアリングにガタを出したようなもので、サーボの性能を生かしきれずに大変悔しかった。
そして今・・・ちゃんとデジタルの恩恵を受けるまで自分もサーボも成長したと思う。今のプロポ側の設定はディレイもスピードもデフォルト0%のままである。(エキスポネンシャルは若干効かせているが)
●Off-road Car Technical Tips 15〜電動オフロードカーテクニカルチップス15〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●空力について
オフロードにおいてボディーの空力特性はそんなに影響ないと考えられてきた。
確かにツーリングにおけるボディーの空力の要素とは影響力が違う。
しかし実際にはオフロードでもボディーの空力特性があるようである。フロントウィンドーの角度と位置、サイドポンツーンの形状、ウィングにつながるリアエンドの形状などが影響してくるらしい。
しかし実際ツーリングみたいに選択できるほどの種類があるわけではないのでセッティングのポイントとしてはなかなか難しい。ボディーよりウィングの方が現実的である。ウィングは車の後端に取り付けるので効果や特色が現れやすい。
基本的に車種が決定していたらボディーも必然的に決まるが、ウィングはメーカーが違っても装着できる。
数社から形状の違うタイプのウィングが出ているので選択肢が多い。またウィングは個人の特色も反映しやすい。前後の位置や高さといった一般的なポイントだけでなくカットする形状もセットポイントとなる。ガーニーフラップはやはり確実に効果があるようで多くの選手が採用している。また構造的にウィングの剛性を上げる効果もある。さらに今年から見受けられた工夫でスプリッターがある。
これは実車のラリーなどで実際に採用されている手法で、縦方向のフィンを追加するものである。RCの場合はひとつのウィングを両サイドで適当に切断し、もうひとつのウィングの中ほどに両面テープで貼り付けて製作する。これで縦フィンが2つ追加できる。
これを書いている今現在自分はテストしていないのでその効果を具体的には伝えられないが実際にスプリッターウィングを装着してシード権を獲得した選手に聞くと、「走り始めて半周もしないうちに効果が分かった。
ギャップの多いコースなどでリアの安定感がまったく違う」とのことである。転倒した際に壊れにくくなるといったメリットもあるかもしれない。
●Off-road Car Technical Tips 14〜電動オフロードカーテクニカルチップス14〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●ダンパーセッティングについて
ダンパーのセッティングを考えるとき様々なファクターがあり、それはまたカテゴリーによってもどちらを重要視するかといった特色がある。
しかし結局のところ「周波数特性の適正化」ということに尽きる。
ここで言う周波数特性とは何か?簡潔に説明すると「入力周波数に対するダンピングレート特性」ということになる。具体例を挙げて説明する。
あるダンパーに1Hzの入力をしたときのダンパーの硬さを1とすると、10Hzの入力をしたときダンパーの硬さは1ではない。単純に呼応するものではない。たとえば1.2だったとする。さらに入力20Hzの場合は1.5だったとする。このように周波数に対するダンピングレートのデータをもとに入力周波数を横軸にダンピングレートを縦軸にとってグラフを描くとそのグラフこそがそのダンパーの周波数特性と言うことになる。
ツーリングカーのロールを考えてみよう。周波数的にはかなり低い値であることは容易に想像できる。ところがオフロードの場合は高速コーナーで細かいギャップ部分を通過する際の入力周波数はかなり高い。
また大きなジャンプの着地を考えるとやはり周波数は高い。(ただし1発で着地の衝撃を吸収しきれた場合の波数は1でまた振幅がかなり大きいと推測できる。)ツーリングのダンパーのセットを考えるとき高い周波数はあまり対象としていない。がオフロードの場合、低周波数から高周波数までそのレンジは明らかに広いことが理解してもらえると思う。
よく机上でヒコヒコと手でサスペンションやダンパーの動きをチェックすることがあると思うが、あの周波数は1〜2Hzぐらいでしかない。だから実際に走らせる周波数でのチェックは出来ていない。2台の同じ車種のオフロードカーで手でダンパーをチェックした感じではほとんどいっしょなのに一方の車はギャップ通過時にポンポン跳ねたりジャンプの着地で底付きをするが、もう一方の車はそのような現象は見られない、このような場合ダンパーの周波数特性が2台で違うのである。
ではどのようにして周波数特性という非常に判りにくいセッティングポイントをあわせていくか、どこを触れば周波数特性が変わるのか、それは「ピストン」である。
シリンダーは同一のものを使用するとして、ピストンの種類つまりピストンに開いている穴の数と大きさ(=穴の総面積)によって周波数特性が変えることができる。ピストンに開いている穴の総面積が小さく柔らかめのオイルを用いたダンパーと、穴の総面積が大きく固めのオイルを用いたダンパー(すなわち低周波を同じように設定すると仮定)を比較してみよう。
手で動作を確認したときまったく同じと感じたとしても前者は高周波領域で後者より高いダンピングレートを示す。走行上の性格はまったく違ったものになるのである。
実際のオフロード走行ではほとんど高周波領域が問題になってくるので、たとえばギャップでもう少しサスを動かしたいという場合ならピストンの穴の総面積の大きいタイプと固めのオイルを選択してセッティングを進めることになるし、ストレートから高速コーナーに進入する感覚はそのままでジャンプの底付きを押さえたいという場合なら総面積の小さなタイプと柔らかめのオイルの組み合わせが適していると考えられる。
これらの理由でメーカーからは様々な種類のピストンがオプション設定で出ているのであって、ただ単にオイルの中間の番手に相当する硬さを求めているわけではないことが理解できたと思う。
雑誌に紹介されていたが、あるワークスドライバーは通常市販されているピストンの中間に位置するピストンを製作してセッティングに用いているそうだ。
3ヶ所の穴の1つもしくは2つの穴を少し広げる手法が用いられる。どの程度広げるかによっても無限種類のピストンが作成できるわけだ。いわゆるドリルドピストンである。走行させる様々な条件(サーキットや路面状況気温など)が決定している場合はオイルの番手はほとんど変えないでピストンによるということである。
一般ユーザーが自分の走行させるサーキットにあわせてドリルドピストンをテストするというのはいささか現実離れしている感じがするが、世界戦でトップを狙えるような位置にいるドライバーにとってはあたりまえのことなのかもしれない。
一般ユーザーには通常市販されているピストンで十分でありドリルドは混乱の原因になると思うが、その方向性を知っておかないといつまでたっても自分の理想とする動きには近くならない。
同じ理論を適用するとレバー比によっても周波数特性をアジャストできることになる。ただしスプリングレートやストロークなど他のファクターとの絡みもあるセッティングポイントなので周波数特性のみを変えたいときには不向きである。
●Off-road Car Technical Tips 13〜電動オフロードカーテクニカルチップス13〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●スプリングについて
スプリングの役割やセットポイントは複雑であり、実際まとめて分かりやすく簡潔に書くことは難しい。
スプリングの性格を決定付けるファクターは材質、線形、巻き数、長さ、スプリング径、塗装などである。同じ線径でもピッチで変わるし、線径とピッチが同じでも全長で変わる。
基本的には1巻きあたりの請け負うストロークで考えるとわかりやすいかもしれない。
後述のカットスプリングもこの巻き数を調整するものである。最後の塗装に関しては不確定要素が多いのでセッティングポイントとして考えにくいが、数年前の全日本選手権ではウレタン系塗料を塗ることで市販スプリングより若干固めのものを作成していた選手もいた。(その選手はファイナルに残っていた。)
自分もほんの少し柔らかいスプリングを作るために塗装を専用の溶剤で溶かした物を作ってテストしてみたがあまりに微妙すぎてセッティングの要素としては排除した。スプリングの選択の第一歩はキット標準からで良い。
ほとんどのキットに含まれているスプリングはメーカーで十分テストされているものでそれを基準としてセットを進めることになる。その標準スプリングはその車のロールとピッチング両方に対して(スタビライザーというファクターも含めて)非常にバランスの優れたものになっているはずである。しかしあくまで標準であり、自分が活動するメインのサーキットや路面状況の変化に対応すべくスプリングを変えてゆくことになる。
きわめて大まかな言い方だが一般的に路面グリップが高い場合はスプリングを硬くして、グリップが低い場合は柔らかくする。またギャップが多い場合は柔らかくする方向で選択する。
言ってしまえば簡単なようだが、実際には必ずしも上記のとおりにすればうまく行くとは限らない。ダンパーとの総合的なサスペンションコントロールを考えなければならないので、非常に複雑な理論が展開されるはずである。
ダンパーの取り付け角度やレバー比などのファクターもあるし、ジャンプの飛距離を調整する意味での選択肢もある。おおまかな傾向だけは知っておかなくてはならない。
ひとつひとつテストして傾向をチェックしてゆくと膨大な量の経験を積むことになりとても大変だが、それはそれでいいことなのかもしれない。自分はある車についてスプリングをセッティングのもっとも重要な要素と位置付けて、レバー比や取り付け角を含めていろいろなパターンをテストした。
フロントサスのみに限定するとスプリング7種、取り付け角3種、レバー比2種、これだけでも単純に計算すると42パターンが想定される。(実際にテストできたのはその半分の20パターンくらいだが)他のファクター、ピストンやジオメトリーも含めるとどれくらい走ったのか見当もつかない。
しかし複雑に絡んだ様々な他のファクターと鑑別してデータを整理できなくて、結局経験則的に良かったのはキット標準のスプリングであると結論が出た。走りこみ始めて2年後のことだった。
2年の試行錯誤の果てに元に戻ってしまい非常に虚しさを感じた反面、いろんな経験を通じてサスペンションという複雑怪奇な迷路の一部をほんの少し理解できたように思う。
そんな未熟な自分の見解だが、経験から学んだことをひとつふたつ・・・。スプリングに限ったことではないが、標準とするセットを導くための努力は以後のセッティングのさまざまな方向性を考える上での貴重な経験である。
しかしセッティングの迷路に迷い込んでしまっているとき、また不幸にも練習やテストの時間を充分とることができないとき視点を変えるという意味でも手っ取り早く自分と同じ車種で速く走れている選手の模倣をする(こう言ってしまうと身も蓋もないが・・・)ことも大切だと思う。スプリングの組み合わせはそんなにたくさんないはず。
標準を見つける際にさまざまな組み合わせをテストすると思うが、中でもカットスプリングとはどのような傾向なのだろうか?1〜2巻きカットしたスプリングを用いている選手は少なくない。
ほんの少しだけ初期反応を変えたいときに用いる手法で、カットすることによって元より若干硬いスプリングができる。また全長が短くなるので同一ストロークしたときにいわゆる腰のあるスプリングとなる。
カットする際はカット面をスプリング受けにあわせて成形しないとシリンダー外面とスプリングが干渉してしまうことがあるので要注意。
●Off-road Car Technical Tips 12〜電動オフロードカーテクニカルチップス12〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●オイルについて
重要なセッティング要素の一つである。(後述)その粘性抵抗によってシリンダー内のピストン運動のスピードを制御する。
求められるのは熱によって粘性抵抗が変化しにくいものであり、なおかつ潤滑に優れるものである。各社それぞれ数種類の異なった粘性抵抗のオイルをラインナップしているが、そのほとんどが熱による粘性の変化が少ないシリコン系オイルである。
粘性抵抗の目安となる番手表示はメーカーによって異なる。A社の♯30とB社の♯30では粘性が異なると考えた方がよい。従ってメーカーを一度決めたら他のメーカーのオイルとごっちゃにしない方が良い。
このメーカーの♯5差ならどの程度車が変化するかといった感覚的な(数字に表しにくい)部分も変わってきて混乱の原因になる。またメーカーによってオイルの組成成分が微妙に異なり熱変化に強いものや潤滑に優れるものなど、それぞれ性格があると聞いたことがあるが、自分はメーカーを決定してしまっていて他社をテストする機会がなかったので未確認である。
全日本などの大会ではオイル交換を頻繁に行う選手がいる。これはダンパー内のエアー量が変わり内圧が変化することを嫌って行っているようだ。エアレーションに限らず、オイル漏れやエアー量が変化することによって左右差が発生するので極端な話ジャンプで傾いたり着地で姿勢が乱れたりする原因となる。
エキスパートはこのようなセッティングの狂いを極力排除して、車の特性の正確な把握を目指している。
左右で狂っているかもしれない車の特性を把握してもしかたないのだ。セッティングは車の状態の正確な把握から始まる。
●Off-road Car Technical Tips 11〜電動オフロードカーテクニカルチップス11〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●シーリングについて
ダンパーの整備の要である。シーリングは2個のOリングとその間を埋めるチューブ、スピンドルを2ヶ所で支える樹脂パーツで構成される。
シーリングは摩擦抵抗を押さえなければならないがオイル漏れも極力押さえなければならないという相反する要素を高レベルで両立させなければならない。どちらに重きを置くかはカテゴリーにもよるし、個人の考えによっても違う。
極端な話、オフロードでもレースにはOリングを1個の減らして摩擦を極力抑えたダンパーを用いる選手もいる。しかしそれなりのオイル漏れは覚悟しなければならない。
オイル漏れはセッティングの維持という面ではデメリットでしかないので、自分は維持を優先してOリングは2個のままである。Oリングの材質はシリコン含有ゴムが多く用いられ、各社その配合ややわらかさの設定など独自のノウハウがある。
またダンパーに用いられるシリコン系オイルによって膨張するという厄介な性質がある。インチのOリングでポピュラーなのがMIPのブルーシールでロッシやアソシのノーマルOリングと比較して明らかにやわらかい材質であり、確かに摩擦という点ではアドバンテージがあるがシリコンオイルのよる膨張率が大きいという欠点もある。
極端な例かもしれないが、ロッシのシーリングカートリッジの蓋を膨張した2個のブルーシールが押し開けてしまったことがある。自分はロッシの場合は2個のOリングの間を埋める樹脂チューブを0.5mm程度削ってしまってあらかじめOリングが膨張するスペースを確保してしまう方法をとっている。
また自分は維持を優先させているのでアウトサイドのOリングはノーマルとし、インサイドのOリングのみMIPのブルーシールに交換している。
組んで最初のころはある程度のオイル漏れはあるがしばらくすると漏れる量が少なくなる。またOリングやチューブの隙間をオイルに溶けないタイプのグリスで埋めておくと漏れはさらに少なくなるようである。アソシのグリーンスライムを用いる選手が多い。
激しいクラッシュをした後シーリングカートリッジの下面樹脂部分のスピンドル穴部分が変形していることがある。
こうなったらスピンドル軸が偏ってシリンダー内でピストンが上下運動してしまうことになるので即交換する。Oリングの外側の樹脂部分でのみスピンドルの位置決定がされている。
●Off-road Car Technical Tips 10〜電動オフロードカーテクニカルチップス10〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●ピストンについて
ダンパーはピストンがシリンダー内でオイルの粘性抵抗を受けながら運動することでダンパー効果を得る。(運動エネルギーの一部が熱に変換される。)
ピストンがそのダンパーの性格を決定付ける重要なパーツである。性格とは周波数特性のことでこれはセッティングに関してもっとも重要なファクターであり、セッティングの項で詳細を記す。
ピストンの材質は摩擦係数が低いテフロン系樹脂が多いがデルリン素材や他の材質もある。
型抜きしたものではなく削り出しの方が精度が良く個体差が出にくいが、成型ピストンの場合は個体差がでないようにできるだけ精密にしっかりとパーティングラインを擦り合わせる必要がある。
この加工はその後の走行性能を左右する重要なポイントである。
ピストンに開いている穴の数、大きさは重要なセッティングポイントなので成型の際のバリは丁寧に削ぎ落とし固体差の出にくいようにしておくこと。スピンドルのセンターを軸とする点対称のピストン(具体的にいうとスピンドルを軸にして真円形のピストン)はシリンダー内で運動するときにオイルの粘性抵抗で常に中心にありつづけようとする力が働くが、成型バリをきれいに取り除いてなくて円形になっていないものはシリンダー内壁に接触しやすくなるはずである。
またピストンとシリンダーの接触を極力避けると言う意味でもダンパーエンドとショックブッシュの作動は究極に軽いことが望まれる。
●Off-road Car Technical Tips 9〜電動オフロードカーテクニカルチップス9〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●スピンドルについて
ハードクロームメッキ加工されたものの他、オプションでチタニウムナイトライド加工されたゴールドに光るいかにも高そうなスピンドルもある。
(実際に高価だが)一般にチタンシャフトと呼ばれるものはほとんどがこのチタニウムナイトライド加工のことでスピンドルそのものがチタン製なのではない。(過去には某チタンメーカー製品にオールチタン製のものもあった)
どちらもシーリングパーツとの摩擦抵抗に関してはそんなに差はないが、表面の強度がチタニウムナイトライド加工を施されたものの方が強く、従って傷がつきにくく寿命が長い。スピンドルは常にシーリングパーツとの摩擦にさらされている部分であり、傷がついたら即交換する。大きな傷はもちろん、細かい引っかき傷もダンパーの性能を損ねる最大の原因になるので交換の対象とする。
またスピンドルを交換する際は同時にシーリングパーツも交換してしまう方が望ましい。スピンドルの傷は路上のホコリや細かい砂が漏れたオイルに吸着しそのままピストン運動することによる。
オイル漏れは事実上防ぐことは不可能だが、ホコリや砂の吸着はある程度ダンパーブーツで防ぐことができる。数社からダンパーブーツが出ているし、風船を利用して自作も出来る。
屋外コースではオイルの汚れやスピンドルの傷やシーリングパーツの劣化を防ぐ意味などで大きな効果をあげるので必須とも言えるだろう。
自分はダンパーブーツの愛用者で、各パーツの寿命は飛躍的に延ばすことが出来た。
●Off-road Car Technical Tips 8〜電動オフロードカーテクニカルチップス8〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●シリンダーについて
レースで用いられるそのほとんどがアルミ製であり、ピストンとの摺動抵抗を低くするため内外面をテフロンコートもしくはハードアルマイト加工がされている。
中には内面を鏡面加工したタイプも存在する。オフロードの場合ダンパーはかなり立てて装着するので重心位置を考える上で軽量化も望まれる。ダンパーは摩擦部分の要素を出来るだけ排除し、作動のすべてをオイルによって制御することが望ましい。
よってピストンとシリンダーとの摩擦をできるだけ少なくできるものがよい。(ピストンの項で後述する)また最近のトレンドは外周にネジ切りを施しスプリングストッパーをネジ式で調整できるようにしたスレッドタイプがある。
このタイプはジャンプの着地など大きな入力でもアジャスターがずれないといったメリットのほか、無段階にスプリングテンションを調整することができ車高調整などで工具や道具などが一切不要といったメリットもある。スレッドネジきり部分が効率よく放熱し粘度を一定に保つ効果もあるかもしれない。
オイル交換の際にオイルが黒色に汚れているようなことがあったらひょっとすると(めったなことではないが)シリンダー内面のコートが磨り減ってアルミの地金が出てきている可能性がある。
熱容量の点とピストンとのクリアランスの点からか、大径の方がギャップ走破性が良いとされてきた。がしかし現在はシーリングやピストンやシリンダーの精度や性能が向上し、基礎設計的にギャップ走破性が問題となることはない。むしろ重量増加重心位置の面で明らかに不利である。
●Off-road Car Technical Tips 7〜電動オフロードカーテクニカルチップス7〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●ダンパーの役割について
ダンパーとは外部からの入力に対して出力のスピードを調整するものである。本来ダンパー単体としてはストロークやばねレートを調整するものではない。その構造上、シリンダーに挿入されたスピンドル部分の体積を逃がす(吸収する)ことが必要で、その体積分をエアーの収縮に置き換えているものがほとんどである。
オイルと別室を設けてエアーとオイルが混ざらないようにしたものがダイヤフラム式と呼ばれる。別室を作らずエアーとオイルを混ぜて使っているものをエアレーション式という。どちらのタイプもダンパー収縮時にはスピンドル体積分エアーが収縮されるため、エアーのスプリング効果が発生する。
ダイヤフラム式の方はエアーとオイルの隔壁にゴムを用いているので、エアレーション式のものと比較してゴム隔壁の弾性の分スプリング効果が強くなることになる。
オフロードではそのスプリング効果が邪魔になることが多いのでエアレーション式が圧倒的に多い。また1種の熱変換機でもある。外部入力エネルギーの一部を熱に変換して出力のスピードを加減する。(その昔はヒートシンク様のフィンのついたものもあった。) よって性能の維持の観点から熱による粘性変化の少ないオイルが望ましく、ほとんどシリコン系のものが使われる。
またオフロードの場合はツーリングの場合と少し異なり、ロールのスピードをコントロールする役割の他にもうひとつ大きな役割がある。ギャップの走破性とジャンプにおける踏切と着地の姿勢制御である。ダンパーセッティングにおいて様々な要素があるがその本質は「幅広い周波数特性の適正化が求められる」ということに尽きる。(セッティングの項で後述)
●Off-road Car Technical Tips 6〜電動オフロードカーテクニカルチップス6〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●カップジョイントについて
モーターからタイヤまでのパワーの伝達経路において最も摩擦を発生してしまう部分である。
しかもその摩擦はパワーのかかりとサスの作動で大きく変化する。
構造上ある程度のガタは仕方ないが、あまりにも削れてしまったものは練習用にまわす。ドッグボーンのピンとジョイントの間のクリアランスがありすぎるとブレーキ後のスロットルのタイミングがワンテンポ遅れる。体感できるかどうかは別問題で、新品の状態がもっともレスポンスが良いはずである。
ほんの少しのタイミングのずれが挙動に現れる。4駆の場合はフロントとリアでタイミングがずれるとFFのようになってしまったり2駆のような挙動を示す原因になる。(オフロードの場合はその差は体感しにくいが)
また細かいギャップの走破性には特に大きく影響する。机上で車を置いて手で車をヒコヒコ上下させてサスのスムーズさをチェックしても(この時点でスムーズでないのは問題外として)実際の走行におけるサスの動きのチェックとしてはあまり意味がない。
ジョイント部分にトルクをかけた状態での判断となる。具体的にはダンパーをはずした状態でスパーギアと片方のタイヤを押さえ、もう一方のタイヤを逆転方向にトルクをかけてサスを動かそうとしたときにスムーズに動かないようであればグリスアップの対象である。(大抵はスムーズには動かないはず)
走破性に悩んでいるときダンパーオイルやショックのシール(Oリング)を交換する他にカップジョイント部分をグリスアップすることで解決することがよくある。
この問題を解決するためにドッグボーンのピンの部分にベアリングを装着したタイプを開発していたメーカーもあった。(市販は見送られたようである。強度的な問題か?)この部分のグリスは粘度が高い すなわち飛び散りの少ないアンチウェア系グリスを使用する。
オフロードで使用する場合はホコリを吸着しやすいのでこの部分にグリスアップする選手は少ないが、走破性に悩んでいるならグリスアップは必須。(ただし1ヒート毎のグリスアップが必要になってくるかもしれない・・・。)
●Off-road Car Technical Tips 5〜電動オフロードカーテクニカルチップス5〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●デフボールについて
基本的にオフロードではセラミックボールは使用しない。タングステンのみ使用可。
セラミックボールはリングとの表面硬度に差がありすぎるため滑りが発生するようである。
もし使えるとしたら4WDのフロントのような負荷トルクが小さい部分のみである。2駆は使用条件が過酷なのでなおさら鉄ボールは使えない。あっという間にゴリゴリになる。
しかしタングステンでも滑らせた状態で使用しているとフラットスポットができる。半永久寿命ではない。ばらしてボールのみをクリーナーで洗ったときにツヤが落ちているようだと間違いなく傷がついている。経験を積むとクリーナーを吹いて指先でころころと転がしながら洗浄しているときにボールとボールとのきしみで傷を感じ取ることが出来る。
また熱による変色なのか腐食なのかわからないがタングステンでもところどころ黒っぽくなっていたことがあった。(ギアはまったく変形していなかったので熱の可能性は低い。)もちろんボールを交換するような状況であればリングも交換しなければいけない。ただしその逆は必ずしも正しくはない。ボールサイズを選択できるデフがあるが、セッティングポイントとしてはあまりポピュラーではない。
ボールが小さくボール数が多いほどLSD効果が高く作動が重くなる。またその逆ならばLSD効果が低くスムーズな作動をする。ギャップの多いコースで4駆のフロントにLSD効果が高いデフをもってくることはGPクラスでは常識だが、EPの場合は車重やパワーや相対的なグリップ力などの関係からあまり重要視されていない。やはり絶対に滑らせないことを前提で限界までスムーズ作動させることが重要である。
●Off-road Car Technical Tips 4〜電動オフロードカーテクニカルチップス4〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●デフリングについて
ドライブリングの適度な溝は安定した効きを約束してくれるがそれも程度問題で、ゴリゴリの原因にもなるので交換時期の見極めが大切でありまた難しい。
見ただけの判断は失敗するのがおちで、ばらす前の状態で判断するしかなく経験がものをいう。
清掃してグリスアップしてもゴリゴリするようなら再度交換メンテ・・・では二度手間であり時間の無駄である。
基本的には(デフパーツに限らず)「疑わしきは即交換」。たいした金額ではない。
リングを交換してもゴリゴリ感が残っているようならボールが傷だらけなので、「せっかくだからこのまま数パック走ってから・・・」と考えず、即ボールも交換すること。
でないとリングのおいしいところを無駄にしてしまう。ジョイントにリングをのせるときDカットリングの場合は作業のしやすさのためにほんの少しデフグリスを塗って装着する。
Dカットしていないリングの場合はデフグリスを塗ってのせると、いくら締めこんでもジョイントとリングのところで滑りが発生することがある。これはジョイントとリングは面で接しているのに対し、リングとボールはほとんど点で接しており、面圧の点ではリングとボールの方がはるかに上だからである。
このような場合はデフグリスではなくゴム系接着剤をほんの少し塗ってのせるとジョイントとリング部分の滑りは防ぐことが出来るし、また精度の悪いジョイントとリングの隙間を埋めたり若干ではあるがクッションの役割も果たし偏効きを補正できるメリットがある。
リングの交換後はリングに溝ができるまでは効きが一定ではない。組んだあとで机上慣らしを行なうことによって少しはましになる。
慣らしは車に組んで走行できる状態にして両輪を浮かせて片輪を手で押さえハーフスロットル程度で10秒程度回す方法と、デフ単体をほんの少し締めこんだ状態でギアと片方のカップジョイントを固定しもう片方のカップジョイントを強制的に滑らせることでリングに溝をあらかじめ作る方法がある。
後者はタングステンボール使用が大前提で鉄ボールだとボールにもフラットスポットが出来てしまうので注意が必要である。またどれくらい締めこんだ状態であたりをとるのか、どの程度で慣らしを終了と判断するのか、経験を積んだ熟練の技が必要となるが、後者の方法はミッションに組み込む前に滑らないところまで締め込み調整を行なうことが出来るので、前者のように走行前に再度締め込む必要がない。
しかしリング交換後数パックは作動チェックをし、そのたびに微調整を施す。デフを滑らせないように調整ができていてスリッパーのセットがしっかり出来ていればデフのメンテナンスサイクルは(使用条件にもよるが)10〜15パックは楽勝で持つはずである。
リングの表裏は研磨してあるか否かで見分けられる。一目でわかるタイプは研磨してある方のみしか使用できない場合がある。XXXの場合も表裏があるが、素材そのものの平面度硬度表面処理が良いので両面使うことが出来る。
●Off-road Car Technical Tips 3〜電動オフロードカーテクニカルチップス3〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●スラストベアリングについて
本来スラスト部分の方がデフ部分より小さくまた面圧はデフボールと同じなので寿命は短いように思われがちだが、スラストグリスはデフグリスと違い潤滑を目的としたグリスであるので グリップを目的とした過酷な使用条件のデフ部分よりは寿命が長いようである。
スラスト部分にスムーズさがなくなるとデフが安定しなくなることがある。スラストワッシャーとスラストボールは傷がついていることを確認して交換するのではなく定期的に交換したほうが良い。
スラスト部分はばらさないとチェックできないので、ばらしたときには清掃とグリスアップはセットでしてしまう。
ごくごくたまにスラストワッシャーにクラックが入ることがある。
カチカチという差動をしたらスラスト部分を要チェック。絞め込み用のビスはネジロック剤が必須。ナイロンナットがネジロック剤の替わりになっているものは頻回に交換したほうが良い。スムーズに作動するようにしっかりと組まれているデフは緩みにくいはずであるが、緩む原因は出来るだけ排除すべきであり、この観点からもメーカーの指定している方向(調整ビスがギアボックス左右どちらにくるか)を守ること。
あらかじめスラストボールの通る溝を掘ってあるスラストワッシャーと平面のスラストワッシャーでは前者の方が傷みが少ないように思う。後者はジョイントカップ内面にも接触し回転力が加わるためにきっちりグリスアップされていないとボール、ワッシャーの痛みが激しくなる。
●Off-road Car Technical Tips 2〜電動オフロードカーテクニカルチップス2〜
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●グリスについて
スラストグリスは高圧部分でもしっかりと潤滑するものがよい。
デフグリスと違い潤滑性能のみを追求したものでよいが、接触圧が高い部分なので粘性の大きなグリスの方が性能維持に優れている。
粘性が高いと作動という点で不利なように思えるが、逆にトラクションの点では有利と考える。
作動に粘りが出てしまうことによる旋回性は体感できないレベルと考える。
デフグリスは通常のグリスと違って目的はリングとボールのグリップである。
高圧部分で分子構造を結晶化させ強い摩擦力を稼ぐ。(実車でもトロイダルCVTの摩擦部分などに利用されているらしい)従ってデフグリスが切れると滑ると考えた方がよい。
きっちりセッティングされた駆動系におけるデフが必要とするメンテナンスは清掃とグリスアップであって、頻繁にリングやボールを交換することではない。
スラストグリスはあまり飛び散ることはない(回転半径が小さくまた回りがジョイントの筒の中なので)が、潤滑性能を維持する目的でワッシャーとボールにたっぷりとグリスアップする。
デフグリスはボールをデフギアに収めた状態で両サイドから1mm角ぐらい乗せるようにする。
あまり多すぎると作動が渋くなるようなデフもあるが、そのような場合は一度組んでみて渋いようならギアやプーリーのボール穴以外に付着したグリス部分のみを細身の綿棒などでふき取ってやると良い。
●Off-road Car Technical Tips 1〜電動オフロードカーテクニカルチップス1〜
うめちゃんからテクニカルな面のノウハウ集を少しずつ投稿して頂けることになりましたー! すごいw マジネタが皆無のこのサイトの性格が変貌か? あははは。 でも僕は自分ではこういうの全然書けないので,凄い嬉しいです。皆様もマジネタからギャグネタ… なんでもかまいませんので,投稿したい方は是非是非気兼ねなく言ってくださいねー バンバン掲載していきます。
みんなでオフロードを盛り上げていきましょう! おっす!
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
●デフメンテナンスの目的
滑らせるのはスリッパーの役目でありデフそのものは絶対に滑らないことを前提にギリギリにスムーズな作動を目指す。
その上で安定した効きを発揮できるようにメンテすることが基本。
「滑らせないこと」はジャンプの飛距離に大きく影響し、また「スムーズさ」はすべてのコーナーの旋回性に大きく影響する。
デフはその車の性格を左右する心臓部といっても過言ではない。
したがって滑るデフ、重いデフで練習に励んだりセッティングに勤しんでもその努力はデフをメンテするたびに無駄に終わってしまう。
またグリスが飛んでしまって滑るようになったデフは加速度的にリングやボールが傷むので、ゴリゴリし始めたり滑るようになったらメンテナンス・・・・ではなくそうなる前にメンテナンスする方が良い。
使えそうだからといって増し締めなんかして使い続けるより、定期的なメンテナンスの方がお財布にも車にも優しいということになる。
オフロードはデフとスリッパーの両方の要素があるので、ツーリングよりも駆動系のセッティングの重要性難易度は上である。
またスリッパーのセッティングはちゃんと組まれたデフが前提となるのでデフのメンテナンス組み方はその車の性能を引き出す上での最重要ポイントである。
以下のコラムはあくまでレース活動を通じた自分の経験に基づいた個人的な見解、私見です。自分はこの理論や見解を基本としてメンテナンスやセッティングをしていますというだけのものです。従って批判やクレームの対象ではありませんので、その点をよく注意してください。
全日本前―練習記
今回の全日本には期するものがあった。
というのは自分の進路の問題でひょっとすると今年限りで関東を離れることになるかも知れないからだった。
最近の数年は成績は二の次で参加することに意義があると自分で決めていた。
でも成績は二の次といっても成績なんかどうでもよいと考えていたわけではなく、成績のほかに全日本の楽しみを見出そうと努力していたのだ。
一昨年はオリジナルボディーで参加しようと考え、地元のレースを運営してくれている足長おじさんこと竹馬さんに無理やり頼み込んでオリジナルのボディーを抜いてもらった。(某サーキットでは型製作過程で迷惑をかけてしまいました、すみませんでした。)
このボディーは雑誌にも小さくではあるが取り上げられて僕の一生の思い出となった。
完全なワンオフなので以後は大切なときにしか出さないようにしている。
今年も実は参戦に際してある構想があった。
最近雑誌などで頻繁に取り上げられているオフロード自作車ブームに乗っかって自分も自作に近いようなオリジナルカーで参戦しようと考えていたのだ。
4駆クラスはレーザーをベースとしたセンターモーター車でセンターユニットをバッテリーの前に持ってきてモーターやセンターシャフトユニットを5〜6mm程度下げて低重心化と前後の重心位置(高さ)の適正化を目指したものを製作するつもりだった。
また2駆は徹底的に低重心化を図った車でフロントはプッシュロッドによってダンパーをレイダウンし小さなフロントウィングを装着するようなことを考えていた。
(谷田部では空力の影響が大きいのだ)
リアはダンパーステーを新造し少し全長が短いダンパーをレイダウンマウントし、
バッテリーもスロットを設けて落とし込みしまたサーボもステアリングクランクが斜めになっていることを踏まえて落とし込みスラントマウントする予定だった。
いろいろ頭の中ではさまざまな計画があったのにすべて過去形、すなわち頭の中の構想のみで終わってしまったのは大きな環境、心境の変化があったからである。
今年の4月で職場を変わり、それによって土曜日曜に確実に休みをとることができるようになったことは非常に大きかった。
週末は確実に練習に充てることができる。
そしてそれは自分の心境を大きく変えるある出会いにつながった。
三瓶さん安部さんとの出会いである。
三瓶さんは言わずと知れたオフロード全日本のファイナル常連で、もはや説明など必要ないだろう。
安部さんは超有名ボディーペインターであり、自身のブランド「ブレインスピードグラフィックス」のボディーは数々のタイトルを演出している。
両氏とも面識はあったが、挨拶する程度で一緒に練習するといった感じではなかった。
(ちなみに安部さんは自分のホームコースSPLVのコース設営の際にもわざわざ土浦から手伝いに来ていただいた経緯がある。阿部さんその節はありがとうございました。)
それが同じレーザーユーザーということやSPLVのレース運営を引き受けてくれている竹馬さんと密接な関係にあることなどから自然と一緒に練習してくれるようになった。
ここにきて当初のオリジナルカー計画は完全にふっとんでしまった。
これだけの環境が整ってしまったからには成績に期待せざるを得ない。
今年の全日本の目標は「2クラス過去最高順位獲得」となった。
ほとんど毎週末の練習では一緒にピットを組ませてもらっていろいろな知識を授けてもらっている。
モーターやセッティング、タイヤ、インナー、ボディー、バッテリー、など車に関する知識はもちろん一日の最後は模擬レースでファイナリスト直々のドライブ指南をしてもらってすべての面で非常に得るものが大きい。
超エキスパートたちのセッティングノウハウや周辺機器に関する知識は膨大なもので今まではいったいなんだったの???と自分のRCキャリアのほとんどがあほらしくなる。まったくもって「目から鱗」状態なのだ。
この数週での自分の進歩はかつてないスピードと量、質であり、今回の全日本選手権に期待するものは非常に大きいものとなっている。
過去1度しか獲ったことのないシード権(いわゆる30位以内)をもう一度・・・というわけだ。
RCレースのデバイスやエクイプメントは日進月歩であり、常に知識をアップデートして使いこなせるようにしなければあっという間に取り残される。
実は自分は「オフロードの世界はツーリングに比べてモノに依存する割合が低い」と考えていた。
実際そうであると今も部分的には信じているがそれも程度問題であり、集中練習によってやはりレースではそんなに甘くないと思い知らされた。
浦島太郎エピソードはここでは書ききれないほどたくさんあるが、なんといっても情けなかったのはRコンパウンドを知らなかったことか。
久しぶりに来た谷田部で店長にタイヤを聞くと「今の路面だとスクエアRですね」との返答、僕は新しいパターンだと思い早速店内で探索するもそこには見たようなパターンばかり・・・。
そこであらためて店長スクエアRってどこ?」「そこに吊ってありますよ」「・・・・・」よ〜く見るとスクエアR3と書いてある見慣れたパターンが・・・。「Rってコンパウンドのこと?」「え?あ、そうですよ。」「ほ!ほげ〜!」まさに浦島太郎である。
早速購入して自分なりの分析をしてみる。
M3と違った材質のゴムを用いている様で腰のある感じである。M2とM3の中間ぽい。M3の離型剤は接着前にクリーナーできれいにふき取るときティッシュは真っ茶色になってしまうが、このRは離型剤にパウダーを使用しているらしくティッシュはちっとも汚れない。
ピンのよれを嫌ってピンカットしなくても腰があるのでよれないようだ。
ここで思ったのは「タイヤの選択肢が増えてたいへんだぁ・・・・・・・。」
リアタイヤとしてプロラインではホールショット、スクエアファジー、エビルツイン、ロッシではテーパーピン、X2000、BKバー、スプリントなどが選択肢としてあり、これぞれにM3R3やレッドピンクのコンパウンドがあることになる。
(ラインナップにないものもあるらしい)
あとそれぞれのフロントだと・・・・頭が痛くなってきた・・・。
リア用しかないタイヤを無理やりフロントホイルに貼ることをテストしている人もいるという情報は当然黙殺することにした。
インナーも純正に加えて16Mやトリニティー製などがあり、とてもじゃないけどすべて用意してテストすることは不可能・・・・・。
こういった面でも合同で練習やテストできるメリットは大きいと思う。
(ただし同程度のテスト能力があるという前提があるけど。)
アドバイスに従っていろいろと手持ちの中でテストした結果、自分の選択肢はかなり削られてきてリアタイヤはスクエアR3、BKバーred、X2000red、2駆のフロントはBK3リブred、BK2リブred、4駆のフロントはブロックヘッドred、テーパーピンred、スプリントredくらいにまで絞れてきた。
今まで食うはずがないと思い込んでいたパターンが予想大本命となったりしてここでも目から鱗状態だった。
パワーソースに関しても自分の知らない未知の世界を垣間見ることができた。
練習時コミュテータ研磨の限界は5パックであるということ(理想は2パック毎)、レース時には毎回研磨は必須であるということ、研磨するとトルク特性が変わるのでそのたびに進角を微調整する必要があるということ、慣らしはあまり重要ではないということ、などなど・・・。
練習時にコミュテータ研磨をするのはナンセンスと思っていた自分にとって常にピットテーブルに研磨機があるのは変!と決め付けていた。
しかし実際にはパワーユニットはレベルの低いものを使って練習するのではなく、レースレベルのものをきっちりメンテナンスして練習にも使用する方がよい。
頭ではわかっていたが、「練習って適当なものでいいよね」という考えが拭い去ることができず、思いっきり使い古したモーターを使って練習していた。
また自分のモーターのメンテナンス方法、調整方法はかなりいい加減であったことが、安部さんから教わったことでよくわかった。
自分的にはかなりいけてると信じていたのに。
到底じゃないが安部さんの領域にはまだまだ程遠い。しかしそのノウハウの一部をみようみまねでやってみたところ今までと同じモーターなのに立ち上がりや伸びやレスポンスがまったく別物になったのである。
「ぜんぜんいけてない調整方法」が「ほんの少しいけてる調整方法」になったおかげで今までとはまったく違ったパワーを手に入れることができたのだ。
オフロードは地上でも空中でもスロットルによって姿勢制御している部分が非常に多い。
「ほんの少しいけてる調整方法」で調整したモーターはドライブテクニックやレース戦略を大きく変えさせた。
今まで飛べなかったジャンプが飛べるようになったり、高速コーナーが超高速コーナーになったり、弱アンダーだったものが超アンダーになったり・・・・。
車のセットを変えざるを得なくなったと同時によりシビアな整備を求めるようになった。
特に駆動系、デフとスリッパーの整備セッティングである。
ここまでくると今まで自分の整備やセッティングがいかにいい加減だったかを思い知らされ、泣きたくなるくらいである。
エキスパートとのこれらの差を縮めるにはせっせと谷田部に通い三瓶さんたちと一緒にピットを組んで知識ノウハウを吸収してあとは練習あるのみ!そう考えた自分はそれから片道100kmを毎週通うことを心に誓った。
それ以後は関東地区2次予選対策練習から数えてまさかの8週連続谷田部通いとなったわけである。
(竹馬さんにいたっては半ば呆れ顔だった。)
そしてその8週に渡る谷田部練習で、安部さんにはモーターのメンテの詳細について教えてもらえたしちょっとしたノウハウやセットポイントについても話をきかせてもらった。
新しいデフグリスのテストもさせてもらえたし、今回のこの機会にXXX用のボディーのペイントを依頼し今年の全日本はBSGボディーで参戦することができる。
三瓶さんには貴重な全日本前の練習時間を割いてもらっての模擬レースでドライブやセッティングでのアドバイスを受けた。
またデフの組み立て方を実際にやってもらって丁寧に指導してもらった。
タイヤの洗浄にシンプルグリーンが適していると教わったり、インナーの選択についても詳しく教えてもらった。
三瓶さんや阿部さんに指摘を受けて確実に車は進化していった。
モーターのメンテナンスだけでなくタイヤのインナーの細かいノウハウも教えてもらった。
デフの調整も僕が行うのと三瓶さんが行うのとではまったく違うことを知った。
車高調整が車の性格を決める非常に重要な要素であることも分かった。
食わず嫌いのタイヤが思いのほか食うことも分かった。
車ができてくるとドライブ面での指摘を聞いた。
三瓶さんに高速アンダーを指摘されるとセットを変更し、ドライブ面からもアプローチした。
S字のパワーのかけ方も三瓶さんに指導されたようにドライブを変えたら区間タイムは明らかに向上した。
タイヤもたくさん作ってテストしたし、谷田部で研磨したモーターも今までで最も多い数だ。
この8週間の練習を通して自分としてできることは全部したように思う。
しかし直前の練習には残念ながら参加できない。
あと2週間で車を徹底的に整備する。
2駆はもう新車を組んであるのでセットを移植するだけだ。
レーザーは樹脂パーツをすべて新品にして組みなおす。
細部のチェックも含めて1日4時間で3日間 計12時間でほぼ新車を目指す。
残りはゆっくりと休養にあてる。
ドライバーのメンテナンスも重要だ。
あとは2週間後の迫った全日本選手権を楽しむ事だけだ。いっしょに練習していただいた三瓶さん安部さんに恥ずかしくない成績を目指して頑張ってきます。
うめ